UR賃貸住宅の団地って、郊外や、ファミリー向けの部屋が多くて、一人暮らしには向いてないのかなと思ってました。
実際に部屋を探して住んでみたら、全然そんなことはなかったので、選んだ理由や住んでみてよかったことをまとめてみます。
UR賃貸住宅を選んだ理由
引越しのたびに余計な出費が必要ありません
UR賃貸住宅は、公的な機関(独立法人都市再生機構)が提供する住宅なので、仲介手数料・礼金・ 更新料が不要です。
不動産会社で働いている私が正直に言うと、これらは入居する人にとっては「業界の商慣習で発生してるだけの本当に無駄なお金」です。
UR賃貸住宅はこれらが一切発生しないので、必要なお金(敷金2ヶ月分)だけ払えば入居できます。敷金の返金ルールも国のガイドラインに忠実に沿っている(民間の不動産会社でそうしてるところは、残念ながらほとんどないです)ので、綺麗に使っていればちゃんと返金してもらえます。
いつでも好きなときに気軽に住まいを変えたい、と思っている人にとっては、とてもありがたい仕組みです。
保証人不要なので、条件をクリアし、書類さえ揃えば、誰でも入居できます
UR賃貸住宅では、保証人が不要です。
所得を証明する書類(会社員なら、前年度の源泉徴収票と、市区町村で発行してもらえる課税証明書、住民票が必須)を用意しさえすれば、家賃に応じて決められた基準額をクリアしていれば誰でも入居できます。
オーナーさんの気分次第にもなりやすい不透明な入居審査がないので、部屋探しの段階で住めるかどうか自分で判断できるのも、「ぱぱっと引越したい」という人にはありがたいです。
所得証明は必須なので、変な人が集まることもありません。
完全リモートワークなので、アクセスより眺望重視でした
UR賃貸住宅は、大規模に郊外に開発されたものが多いので、「アクセスは若干面倒だけど、広大な敷地を使っているため眺望は最高」みたいな建物が多いです。
今住んでいるところも敷地内に緑が多く、視界が抜けていてとても気持ちが良いです。
完全リモートワークで、自宅で仕事をしているため、「アクセスよりも眺望重視」で探していた私にはぴったりでした。
住んでみてよかったこと
畳の部屋が「持たない暮らし」に合っていました
なるべく大きな家具をおかずに、必要最低限で暮らそう、と思っていたのですが、UR賃貸住宅の一人暮らし向け1DKの間取りで最もよくある「キッチン+6畳和室」の部屋を選んで、よかったと思っています。
理由は、畳が「持たない暮らし」に合ってるから。
樹脂畳ではなく昔ながらのいぐさの香りのする畳ですが、畳って天然素材なので、素足で触れても冷たくないし、クッション性もあり、床に近い生活をしていても寒々しさがないんです。
そのまま床に座ってもいいし、ラグを敷く必要もないし、畳最高ですね。
一人暮らしの部屋にしてはキッチンが広大です
もともと20〜25㎡ぐらいの1Kに住もうと思ってましたが、UR賃貸住宅の最小クラスの部屋は30㎡前後の1DK。
そんなに広大なキッチンはいらないんだけどな、と思ってましたが、ガスも2口あってシンクも広く、作業スペースも広く、なんの工夫もしなくても自炊のストレスがほぼないのは、よかったです。
URのキッチンは白のタイルに白の戸棚で、賃貸によくある変な木目調とか真っ赤とか真っ青とかじゃないので、デザイン性もいいんですよね。
スーパーが徒歩1分!
団地の敷地内には、ほとんどの場合、郵便局とスーパーがあります。
住棟によっては敷地内といっても徒歩10分、みたいな場合もあるんですけど、私の住んでる部屋はスーパーまで徒歩1分(ちなみに最寄駅と駅前のコンビニまでは徒歩10分)。自炊ストレスをほぼゼロにするのに大変役立っています。
駐輪代が無料でした
住棟の下にあるピロティに駐輪場があり、駐輪代は自転車から大型バイクまで無料です。駐輪場やゴミ捨て場は住棟すぐの場所にある団地がほとんどでは。屋根つきの駐輪場がタダで使えちゃうので大変ありがたいです。
気をつけたほうが良いこと
エレベーターのない団地が多いです
低層の団地の場合、4階建てか5階建てでエレベーターはないというタイプのものが多いです。6階以上の高層の場合でも、「スキップフロア」と言って、特定の階にしかエレベーターが止まらないものもあります。
私は旅行に行く頻度が多いことを考えると、重いスーツケースを持って4階、5階まで登るのは無理、と思って最終的にエレベーターがある団地を選びましたが、条件で絞り込んだ中では「エレベーターつき」の団地は1箇所だけでした。条件が細かくある場合だと、エレベーターは諦める必要があるかも。
1階、2階の部屋は長く住んでいる人が多くて空室は3階以上が多い点も注意です。
防音性能と気密性は新築ほど期待できないです
URの団地は、古くてもほぼ鉄筋コンクリート造か鉄骨鉄筋コンクリート造なので、地震などは特に問題ないんですが(問題ある場合は耐震補強されてる)、防音に強いと言われる鉄筋コンクリート構造でも、古い構造のため、隣の人、上の人の部屋の音は結構聞こえます。話し声とかより、椅子を動かす音とかの衝突音が響く感じ。
ただ、鉄骨造の古いアパートに住んでいたときに、隣の人のいびきや普通に電話で喋る声、テレビの音まで聞こえてきて若干悩まされていたのと比べると、全然マシです。(隣の人がめちゃくちゃ静かな人なのかもしれませんが)
あとは、サッシや玄関ドア、躯体などが古いので、気密性や断熱性が新築に比べると悪く、すごく結露したり、冬にすごく寒かったりします。夏は風通しがよくていいんですが。
自分に合ったリフォーム状態の部屋を選びましょう
UR賃貸住宅の建物は、高度経済成長期に開発された、築40年超のものが多いです。
当時の部屋というのはほとんど和室、ユニットバスではないタイル張り浴室、洗濯機置き場はない、というものなので、これをほとんどの部屋でリフォームして提供しています。
リフォームの状態は、団地ごとにいろいろです。
私の主観で、ランクに分けてみるとこんな感じ
Dクラス:
洗濯機置き場なし、お風呂古め、必要最低限クラス(家賃相場よりかなり安い)
Cクラス:
洗濯機置き場あり、給湯設備最新、和室、押し入れや鴨居、襖がそのまま(家賃相場よりやや安い)
Bクラス:
和室をフローリングに変更、押し入れをクローゼットに変更、建具も白く塗り替えられたタイプ(家賃相場そのままぐらい)
Aクラス:
ビルトインコンロのキッチンや全体カラーコーディネート、ユニットバスなど、ちょっと気の利いたリフォームがされている(リノベ、築浅の家賃相場ぐらい)
Sクラス:
無印、IKEAなどとのコラボモデル(周辺家賃相場より高い)
このうち、私が住んでいるのはCクラスです。自分がどの程度までリフォーム具合を求めるか、実際に内覧をいろいろしてみて検討するのが良いと思います。
同じ団地、同じ住棟でS〜Dまで揃ってることはあまりなく、この団地はほとんどCクラス、とかそういう感じなので、立地や環境だけでなく、そのあたりも含めた上で団地選びをする必要があります。
Cクラスまでは、洗濯機置き場がない部屋も結構あります
排水管のサイズ的に、洗濯機置き場を作れない部屋も多いらしいです。
その場合、「住棟丸ごと洗濯機置き場がない」ということになるので、洗濯機置き場必須の人は、団地を探す際、まずそこを見るのが良いと思います。
ちなみにない場合どうするかですが、「ちょっと高さのあるカート(自分で買う)に載せて、使うときは浴室付近まで移動し、浴室に排水する」ということになるそうで、とても面倒くさそう……。やってみたことないんで、慣れればいけるのかもですけど。
追記:次の部屋で洗濯機置き場がなかったため、試してみました。置けるスペースさえあれば特に困ることはなかったので参考まで。
Bクラスまではエアコン、ガスコンロ、照明が持ち込みの場合がほとんどです
私の部屋は、リフォームされたばかりでエアコン、ガスコンロが備えつけでしたが、ほとんどの場合でエアコン、ガスコンロ、照明は持ち込みです。
入居者キャンペーンでエアコンプレゼント、ガスコンロプレゼントとかやってる場合もあります。
ちなみにウォシュレットがついてる部屋もBクラスまではほぼないです。ただ、コンセントは設置されてるので自分で取り付けることができます。
立地のいい場所にもあるが、空きはほぼないです
URの団地ってほぼ郊外にあるイメージですが、実は都心部とかにも存在してます。ただ、人気がありすぎて空きが出ることがほぼないので、住めるのはよほど運がいい場合のみ。
人気のあるURに住みたい場合は、公式サイトに出る前に、提携している不動産会社が「仮申込」を入れることがほとんどなので、公式サイトではなく提携不動産会社に条件を伝えて、空きが出次第に抑えてもらうという方法を取る方が良いです。
ちなみにその場合も仲介手数料は必要ありません(URが負担してくれるから)。
「UR 地名や団地名 あっせん」などで検索すると、提携不動産会社のサイトが出てきて、「空き待ち予約」などを受け付けてくれます。
一人暮らし向けの部屋がある団地は限られています
ワンルームや1DKなどの一人暮らし向けの部屋がある団地は数が少ないです。人気のある立地だとほとんど空きが出ていないですし、関東、関西の都市圏以外の地方はそもそも作られていないです。なので、一人暮らしで団地に住みたい場合、2DK以上の大きな部屋にするか、関東、関西の郊外エリアに探す感じになります。
いろいろ書きましたが、自分の条件に合う部屋が見つかりさえすれば、団地の一人暮らしはメリットがかなり大きいのでおすすめです。