地方移住といっても、できるだけがんばらない気楽な方法もあるよ、とちょっと書いたのですが、他にも選択肢はあった中でなぜ「団地」で「持たない暮らし」だったのか、という話を補足したいと思います。
「団地」で「持たない暮らし」とは
「よそもの」が暮らしやすい団地の仕組み
・保証人がいらない
・初期費用が安い
・大家さんが公的機関(UR、県や市の住宅供給公社など)
・住人相互監視が希薄
という4つの要素により、団地は「よそもの」にとってとても住みやすいです。
必要な書類と敷金を揃えれば入居でき、「どういう人でどんな仕事をしているのか、実家はどこか」とか全く詮索されません。
仲介手数料やら礼金やら、引越しで無駄になるお金もないので、もし合わなかったらすぐ引越しちゃえばいい、というのも楽です。
「持たない暮らし」なら、いつでも引越せる
クロネコヤマトの「わたしの引越し」(コンテナ混載便)基準で「1コンテナ」で収まるように荷物の量を調整して暮らしています。
神戸→福岡間の引越しで、普通の引越しトラックなら10万円以上かかるところ、3万円で済んだので、「どこにでも、いつでも引越せるなぁ」と気持ちの面でかなりゆとりが持てました。
家賃が安い(部屋もある)
最近は団地といっても中を綺麗にリノベしてる部屋も多く、一概に安いとは言えないのですが、和室である、とか、階段で4階、5階、といった部屋は家賃が安いです。
私の場合は、4〜5万円の家賃の部屋を探しました。そういう部屋って民間で借りる場合、木造アパートだったりいろいろ難ありな部屋が多いですが、団地はRC造だし、ただ古いだけ、て感じなので私には合ってました。
地方移住をしたい、と思う人って東京で高い家賃払ったり何十年ものローンを組んで家を買うのが嫌だなと思って、地方で安い家を探すという人が多いと思うのですが、家賃が5万円以下だったら、買ったほうがいいとか借りたほうがいいとかいう議論も関係ない感じになるのでおすすめです。
なぜ「やめた」のか
多拠点生活やゲストハウス暮らしを「やめた」理由
団地に住む前は、ADDressやHafHを使って、古民家シェアハウス、もしくはゲストハウスを転々とする暮らしをしていました。
辞めた理由は、365日「誰かの目線がある」暮らしはストレスだったから、です。
特に、食事のときに「見られている」のが私はしんどかったです。ADDressでも、ゲストハウスでも、個室での飲食は基本できないので、シェアキッチンやリビングを使って食事をとることになりますが、誰か別の人がキッチンを使っていたりとか、リビングにも長期宿泊者やゲストハウスのオーナーさんが常にいたりとか、たまにならいいですが毎日コミュニケーションしなくてはいけないのは結構きつかったです。たいてい「何作ってるんですか?」「何食べてるんですか?」て話になりますし、詮索しないでくれーという気持ちに途中からなっていました。
完全な個室のホテル暮らしでは100%外食になってしまうのでそれも辛く、キッチンがついているホテル暮らしだったら賃貸借りたほうが安い、となって団地暮らしに落ち着いています。
シェアハウス「選ばなかった」理由
多拠点生活やゲストハウス暮らしをやめた理由と同じです。
キッチンやお風呂を使いたい時に「いま、他の人は使っていないかな?」といちいち気にする生活がストレスでした。
普通の賃貸「選ばなかった」理由
仲介手数料や礼金やクリーニング料や鍵交換費用など、団地ならかからない初期費用が圧倒的に無駄だからです。
特に、半年とか1年とかで住み変えるかも、みたいな場合、めちゃくちゃ負担が大きいので、選ばなかったというか、普通の賃貸では無理、と思ってます。
家具・家電つきのマンスリーマンション「選ばなかった」理由
単純に、(特に地方では)選択肢がめちゃくちゃ少なかったです。
住みたいエリアにない、あっても家賃が高い、など。
家具・家電のサブスク「やめた」理由
神戸では冷蔵庫、洗濯機などの大型家電を「家具のサブスク」サービスを使ってレンタルしていましたが、やめました。
中古を選べばレンタル料の数ヶ月分で買えてしまうことが多く、「損しているなー」という気持ちにしかならなかったためです。
交換料はかからないけど返却料はかかる、というような仕組みになっていることもあって、なんか自分のやりたい暮らし方には合わない、というのも感じてました。
家具・家電のサブスクというのは、「今の気分にあった家具を借りて、飽きたらがらっと家具を変える」というのがしたい人向きで、どちらかというと家具のサブスクというよりは「模様替えのサブスク」という感じです。
最低限のもので暮らして、固定費なるべく下げたい…みたいな暮らし方にはあんまり合っていないです。
ただ、中古でそこそこ良いものを見繕ったりとか、いらなくなったらまた売ったりとかはわりと手間がかかるので、好きなものを選んで、いらなくなったら返却するだけでいいのは楽でした。お金はかかってもいいのでとにかく究極に身軽に暮らしたい人には便利かもしれません。