できるだけがんばらないひとりたび

団地で暮らす旅好きミニマリスト・田村美葉(みは)

【ミニマリストの実態レビュー】ものを減らして変わったこと、変わらなかったこと

3年前に、「いろんな街で暮らして、いろんな街に旅行に行く」と方針を決めて以来、持ち物の量に上限をつくって暮らしています。

よく、「ものを減らすと人生が変わる」などと言いますが、具体的に変わったことと、変わらなかったことを正直にレビューしたいと思います。

 


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物の量を「コンテナひとつ分」に制限

長距離でも格安で引越しができる、「混載便」で運んでもらえるコンテナひとつ分に持ち物の上限を決めています。

実際に、神戸から福岡の引越しでは、通常だとトラック1台で10万円以上かかるところ、3万円で済ませることができました。

 

参考:わたしの引越し

 

では、荷物をコンテナひとつ分に収めるために、なにを減らしたのかを紹介します。

 

キッチンで減らしたもの

  • オーブントースター
  • 炊飯器
  • 電気ポット
  • 調味料
  • 日用品のストック

家電は、冷蔵庫、洗濯機、単機能の電子レンジのみ。長距離移動の引越しをする際には、中古で買い替えることを前提としていて(運ぶより安いから)、「機能にこだわりすぎない」ものを選んでいます(「これじゃないとダメ」な生活に慣れないように)。

炊飯器やオーブントースターなどなくても困らない家電はなく、家電がないためそれを置く棚も必要ありません。

 

鍋はなく、26cm深型の大きなフライパンのみ。無印良品のファイルボックスに立てて収納しています。調味料もこのボックスに入る分だけ。ここにないものが必要な料理はそもそもつくらないようにしています。

 

 

掃除道具やゴミ袋などもここに入る分だけ。トイレットペーパーなど緊急に必要なものをのぞいて、日用品も「買いだめ」や「まとめ買い」はせず、なくなったら都度買いに行くようにしています。

 

リビングで減らしたもの

  • ベッド
  • テーブル
  • デスクチェア
  • 大きな照明器具
  • 大きな観葉植物
  • ポスター、オブジェなど飾るもの

 

リビングは畳なのでベッドは不要。テーブルはスツールで代用。フルリモートワークなのですが、スタンディングデスクを選んだためデスクチェアも不要でした。

 

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引越しの際、運ぶのが意外に厄介な大きな照明器具や大きな観葉植物はおかず、小さなランタンやテラリウムを。アートフレームなどもかさばるので飾らず、飾るのは旅先で購入したものをデスクの上にひとつだけ。

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衣類収納で減らしたもの

  • カバン
  • コスメ
  • アクセサリー

服や靴、カバンは、「4日分の旅行に持っていきたい分」を上限に制限。コスメは、旅行にも持っていくメイクポーチに入る分だけ。アクセサリーなども最小限にしています。

 

リビング収納で減らしたもの

  • 電子書籍で買える本
  • 手紙、名刺、紙の資料
  • たまにハマる趣味の道具

思い入れのある本や、旅先で購入したものなどは捨てていないため、ここだけ見るとミニマリストとは言えないぐらいものがありますが、これでもかなり減らしています。基準は、「トランクルームに預けてでもとっておきたいかどうか」。

実用書やコミックスなどは全て電子書籍で購入し、手紙や名刺、紙の資料で必要なものはスキャンしてから処分。以前はミシンやら手芸、DIYに必要な道具、お菓子づくりの道具など、ありとあらゆる趣味の道具を持ってましたが、「旅」に持っていくカメラなどのガジェットをのぞいて手放しています。

 

ものを減らして変わったこと

掃除・片づけの時間が減った

一番大きく変わったのは、掃除・片づけが楽になったこと。

「時間をとって片づけをする」必要がほぼなくなり、家具が少ないので掃除もあっという間に終わります。

「いろんなものを飾っておく棚」みたいなものがなく、埃を掃除する必要がないのが圧倒的に楽です。旅先で集めているものも全て箱にしまってあり、引越しのときはそのまま持ち運ぶだけ。捨てられないものが多い人には、この「閉架方式」がおすすめ。

自炊が楽になった

なにしろ洗うものがフライパン1個、食器も少ないので、洗いものがあっという間に終わります。

そもそも手の込んだものを作らず、栄養バランスのとれた「いつものメニュー」でまわしているだけで、自炊は十分だ、ということに気づきました。献立に悩むこともほぼないのでとても楽。

 

 

仕事に集中できるようになった

以前は自宅では集中できず、カフェに逃げることも多かったのですが、今では、「部屋のほうが外のカフェより片付いている」ため、自宅で集中できるようになりました。

常に部屋が片付いていることと、ものがないので気の散りようがない、ことが大きいです。

 

変わらなかったこと

物欲は特に減らない

私は「引越しを楽にすること」がものを減らした主目的なのですが、ミニマリスト的暮らしを目指す人の中には「節約」が主目的の人も多いかと思います。

ただ、「ものを減らす」ことと「節約」はまたべつの話です。

たしかに、ものの量を制限しているため、何かを買うときはめちゃくちゃ吟味するようになり、「衝動買い」は減ったのですが、そのかわり、「より良いものに買い替える」とか、「ちょっと良いものを選ぶ」ということはしています。

ものを減らしたら、物欲がなくなる、というわけではなく、物欲は普通に継続するため、「お金が出ていく量」は変わらないのです。

「お金が出ていく量」もコントロールするには、またべつの意識が必要だと思います。

 

逆に、「お金がかかる」というわけでもない

「ものをストックしないということは、まとめ買いしたり、古いものを大切に使ったりしないということだから、逆にお金がかかるだろう」と思っていたときもあったのですが、そんなことはありませんでした。

一人暮らしで、3個セットの洗剤を選ぶか、1個を選ぶかでの値段の違いなんて、かなり微々たるものです。

また、「100円ショップで手に入る程度のもの」を「もしかしたらいつか使うかも」とずっととっておくこともやめたのですが、また必要になったら100円で手に入るものなので、とっておく価値はあまり大きくありません。それ以上のものは、捨てるのではなく「売れるうちにメルカリで売る」ということをしていれば、「購入というより、レンタル料金」という感覚で使えます。

「捨てられない」「もったいない」という気持ちはたしかに大切なのですが、「節約」につながっているかというと、微妙です。

 

QOLは変わらない

暮らしの楽しさや、充実度もあまり変わっていません。

前までは、「素敵な暮らしや、素敵な人」に憧れて、部屋をいろんなもので飾ったり、凝った料理をつくったり、突然お菓子づくりを始めたり、手芸したり……いろんなことに手を出していたのですが、それが本当に「自分のやりたいこと」だったのか?というと微妙でした。

会いたい人に会いに行ったり、見たいものを見に行ったり、フットワーク軽く動いて、「自分が本当にやりたいこと」に全振りした今の暮らしが気に入っています。

 

presented by 東京エスカレーター / CC BY-NC 4.0