能登半島地震が起きた際、私は金沢の実家に帰省していました。
幸い、金沢市内の被害は大きくはなく、電気・水道・ガスや携帯電波なども生きていたのですが、「震度5強」という、これまでにない揺れを経験しました。
能登の被害の甚大さが明らかになるにつれ、なじみのある場所の変わり果てた姿に非常に心が痛みます。
まずは自分にできることとして、少しばかりの寄付と、そして、「自分の身を自分で守る」ための防災対策の見直しを行ったので、その内容をまとめておきたいと思います。
「揺れ」に備える
「震度5強」の揺れで、「倒れるかも」とか「落ちてくるかも」と不安だったものは
- 大きなガラス製の食器棚(あとで聞いたら、両親が転倒防止策をしていた)
- 大きなガラス製の照明
- テレビ
実際に落ちてきたり、割れたりしたものは
- 食器棚の中の食器
- 本棚の中の本
でした。食器棚の中の食器は、扉の中にあって飛び出て割れたり、扉を開けると中で割れていて落ちてきたりして、危険でした。
一人暮らしの自宅では(そもそも家具が少ないのですが)、避難経路上や寝る場所の周りに倒れてくるものや危険なものがないかを確認し、食器は引き出しの中へ。あとは、地震で飛んでいくことが多いという冷蔵庫の上の電子レンジを固定しました。
揺れがおさまったあと必要になるアイテム
金沢では幸い停電は起きなかったのですが、緊急地震速報が鳴り響くような余震が何度も続いたので、ヘルメットとヘッドライトを常に装備したうえで、部屋の被害の点検や、割れたものの片付けをしていました。
「揺れがおさまったあと、必要になるアイテム」をまとめて、すぐ手に取れるようにしてあります。
- ヘルメット
- ヘッドライト
- スリッパ
- 軍手
- ほうき・ちりとり、掃除機
- ラジオ
ヘルメットはミドリ安全の「フラットメット2」を購入。
ヘッドライトは、ホームセンターで購入した単4電池で動くめっちゃ明るいやつ。
落ちているもの、割れたものを踏まないためのスリッパは、以前買って未使用だったマリンシューズを用意。岩場でも使えるように底がしっかりしてますし、折りたたみもできるので持ち運びも簡単。
軍手や、それに割れたものを片付けるためのほうきやちりとり、掃除機も用意が必要です。
金沢では停電が起きなかったためテレビで情報を得ていましたが、停電したときに備えてラジオも必須。
あとは、「地震のときに連絡するところ」もあらかじめ決めておいて、無事の連絡をしておくのがよいです。
停電が起きると、最初しばらくは携帯基地局の非情電源で電波がつながりますが、しばらくするとつながらなくなります。連絡できるうちに、実家、会社など、必要な人に、無事であることと、「停電になったのでそのうち連絡取れなくなるかも」なことを伝えておくのがよいです。
ハザードマップ・防災アプリの確認
自宅に備えるアイテム、避難するアイテムを用意する前に、「いつ、どこに避難するのか」をまず確認しました。
福岡市では、「ふくおか市 生活ガイド」の最初の方に避難場所などの「防災マップ」が載っています。「洪水ハザードマップ」などと合わせて、区役所の総合窓口でもらえます。もちろんウェブにも載ってますが、停電に備えて、紙のマップも用意しておくのがおすすめです。
https://webmap.city.fukuoka.lg.jp/bousai/
Yahoo! の防災アプリもよくできていたのでおすすめ。現在地のハザードマップが確認でき、事前に避難場所を決めておくことができます。
Yahoo!防災速報 - 災害から命を守る、ヤフーの防災アプリ(無料)
私は2018年の北海道地震の際に札幌にいたのですが、札幌市内では「停電」以外に家屋の被害などはそこまでなかったものの、避難所は、様子を見に行ったときには既に人で溢れていました。
停電、断水などインフラの停止程度では自宅避難が基本で、避難所に逃げるべきケースは、ハザードマップを見てあらかじめ決めておくとよいです。
私の場合、今住んでいる団地は、「洪水」「津波」などのハザードマップ区域の外にあります。ただし「地震」については、新耐震基準の耐震性能をクリアしていない古い建物で、何があるかはわかりません。
そのため、すぐに持って避難所へ行ける避難袋の準備はしています。
自宅に備蓄するアイテム
一人暮らしの場合こそ、自宅での備えは大切だと考えています。災害以外でも、突然体調を崩して外に出られないなど、備えが役立つケースが多いです。
私の場合は、「電気・水道・ガスが止まっても、3日ほどは自宅でやりすごす」ことを前提にしています。
北海道地震でも、24時間の停電と、停電による断水を経験しましたが、そのときに「あればよかったなぁ」と思ったものを中心に用意しました。
- 緊急トイレ
- 充電式ランタン
- 食料、飲料水
- カセットガス、カセットコンロ、給水バッグ
- トイレットペーパー、ウェットティッシュ、雑巾、新聞紙
一番困ったのがトイレだったので、緊急用のトイレは多めに用意しておいたほうがいいです。
水道設備に被害がない場合でも、マンション上層階では停電が起きるとポンプが停止するため、しばらくすると水も止まります。
「水を貯めておいて流す」には、1度に10Lほどを流す必要があり現実的ではないため、緊急トイレのセットを持っておくのが安心です。
家には、普段から使っている充電式のランタンが部屋ごとにあります。ライトの充電ができるように、手回し式、乾電池式など複数タイプのバッテリーを用意しています。いざとなればバイクでも充電できるので、バイクのガソリンも常に満タンに。
食料と飲料水は、ローリングストックとして、ふだんから食べているレトルト食品を用意しています。
災害用のものではなくても賞味期限がそこそこ長いものを選んで、少しずつ消費し、消費した分を買い足すようにしておけば問題ないかと思います。
カセットコンロはキャンプ用に持っているものを活用。カセットガスは3缶を備蓄しています。
生活用水は、前述の通りトイレに使うのは現実的ではなく、タンクに保存した水を数日ごとに入れ替え直すのもとても続けられないと思ったため、備蓄はなし。念のための給水袋を用意しています。
(北海道地震では、停電でポンプが停止して水道が止まったマンション上階の住人向けに、1階の蛇口を開放してくれていました。)
災害時にも営業していたスーパーで、すぐ食べられるパンやカップラーメンなどの次に売り切れまくっていたのが、乾電池、そしてティッシュやトイレットペーパーの類。これらは非常時になるとすぐ買いだめされてしまうのが人類の性のようです。あとは、非常用にも役立つといわれるサランラップやアルミホイルなどは、一人暮らしでも、「残り半分になったら買い足しておく」ようにしています。
お風呂に入れないことを見越してウェットティッシュも多めに備蓄。ボディシートやドライシャンプーなどの商品もありますが、結構乾くのが早くて複数種類を管理しきれなさそうと思ったので、全てウェットティッシュでなんとかする作戦です。お皿洗いも、キャンプ時と同様にウェットティッシュでなんとかする。これも、キャンプや旅行のときに使ってローリングストックで運用。
一人暮らしだとあまり家にない雑巾や新聞紙も、意識してストックするようにしています。新聞はとってませんが、たまにポストに入る広報誌などをとってあります。
そのほかの、外出時や避難時にも使うアイテムは、避難袋の中に入っています。
外出時にも持ち歩くアイテム
自宅で被災するとは限らないため、外出時にもある程度の備えをしています。
貴重品
- 現金
- 身分証・保険証・銀行カード
- ペン・メモ帳
- ホイッスル
いつも必ず持ち歩くスマホバッグの中に貴重品一式をまとめて管理。
ホイッスルと、ペン、メモ帳もここに追加しました。
ホイッスルは、建物の下敷きになった時用…だったのですが、実際につけてみると、防犯ブザー代わりに使えそうで、安心感が半端ないです。ホイッスルの中に、緊急連絡先を書いておけるやつを買いました。
救急セット
私の場合、捻挫や軽いケガ、疲れからくる体調不良など、何かしらの怪我や病気は大抵の場合「旅行中」に起きているので、家においてあってもしょうがないよな、と、救急セットは「旅行に持っていくもの」として準備しました。
- バンドエイド
- 救急パッド
- アルコール消毒綿
- 三角巾
- 鎮痛剤、下痢止めなどの応急薬
- マスク
- 体温計
三角巾は、止血や腕の固定だけでなく、捻挫した時に足を固定したり、ロープがわりになったりとなんにでも使える万能アイテムと聞いて導入。
帰宅難民セット
能登半島地震の際も、北陸新幹線内で夜をすごすことになったご家族の話などがありましたが、電車や飛行機の旅の際には、「帰れなくなった」場合に備えて夜を過ごせるアイテムを。
- エマージェンシーシート
- 非常食
- カイロ
- 耳栓
- モバイルバッテリー、充電コード
- ミニライト
避難時の荷物・装備
「避難所に避難する」ケースは、まとめると
の2パターンです。
私の場合、1は該当せず、ほぼ2のケースなので、「かなりヤバいときに、急いで避難する」ことになりそうです。
これまで、なんとなくキャンプの道具とか旅行の道具はいつもまとめてあるし、バイクもあるし、と考えていたのですが、実際に考えてみると、2のケースのとき、悠長にキャンプ道具を準備したり、バイクに乗って逃げるなんてことができるかというと、できなさそうでした(団地がヤバいレベルなら、たぶん外の道路も相当ヤバい)。
そのため、「すぐに取り出して逃げる」ことができる必要最小限の荷物を、小さめのリュックひとつにまとめてあります。
- 肌着、生理用品、手ぬぐい
- 非常食、飲料水、サプリメント
- キャンプ用マット、枕、エマージェンシーシート
- ビニール袋、養生テープ、ペン、エコバッグ、小銭
- 推しグッズ
- パックセーフ
- 救急セット
- 帰宅難民セット
- 貴重品
北海道地震の際は、スーパーやコンビニ、飲食店の一部など食品を扱っているお店は停電の中でも営業していることが多かったですが、ユニクロなどの普通のお店は再開するまでにだいぶ時間がかかっていました。
なので、着替えは結構重要だと考えています。
非常用のコンパクトなものではなく、着古してそのまま捨ててもいいものを3日分ずつ、手ぬぐいも3枚、生理用品は自分がいつも使うものをセットにして入れてあります。
食品、飲料水は、配給がわりと早いイメージがあるので、1〜2日程度を生き抜ける分を用意。あとは、サプリメント。
寝る時のアイテムは、キャンプ用のマットと枕、敷物と毛布代わりになるサバイバルシート。
あとは、避難所であると便利といわれるアイテムいろいろ。ビニール袋、養生テープ、それに名前を書くための油性ペン、配給されたものなどを持ち歩く袋、貴重品を管理するためのパックセーフ。推しグッズは、北海道で停電になった際に、何もすることがなく誰とも連絡がとれず非常に心細い思いをしたので、気持ちを紛らわせるアイテムとして用意。
スーパーやコンビニなど、停電でも営業してくれるお店はわりとあるのですが、クレジットカードや電子マネーは全て使えないため、「千円札」や「小銭」がたくさん必要でした。念のために準備。
これに、外出時のいつもの持ち物(救急セット、帰宅難民セット)をプラスして、非常袋に入れてあります。
逃げるときに身につけるアイテムもそばに用意。
- ヘルメット
- ヘッドライト
- 軍手
- レインポンチョ、レインパンツ
- 長靴
- 踏み抜き防止インソール
前述のとおり、家がヤバいということは、外の状況も相当ヤバそうなので、踏み抜き防止インソールも用意。
何が起きるか、そのとき何が必要かは、実際に起きてみないと本当にわかりませんが、少しでも「なんとかできるように」備えたものは以上です。
能登半島に1日でも早く平穏な日々が訪れますように。
どうぞ皆様ご安全に。