できるだけがんばらないひとりたび

団地で暮らす旅好きミニマリスト・田村美葉(みは)

オーベルジュのような極上の料理とお酒を一人ドミトリー泊で気軽に楽しむ「醸す森」宿泊記

#また泊まりたいゲストハウス Vol.6

新潟県十日町市の「醸す森」は、2000年から始まった「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催地に近い山の中にある、宿泊施設をリノベーションして誕生したフレンチバル&ホステルです。

アクセスはまつだい駅からタクシー20分、周囲に飲食店、コンビニなどの店舗もないという立地ですが、だからこそ、フレンチバルでの極上の料理とお酒を楽しんでそのまま泊まる、ちょっと贅沢な時間を過ごすのにおすすめの宿です。

広めの個室からドミトリーまであり、なんと、HafHでコインなしでの利用ができてしまうため、素泊まりで1泊3,000円以下。気軽に楽しめてしまうのが嬉しいです。

 

 

アクセスは車、バイク必須。ぐいぐい山道を登った先にあります

「醸す森」があるのは、ほくほく線まつだい駅からタクシーで20分の場所。

近くの松之山温泉にあるいくつかの宿泊施設とも、信濃川沿いにいくつかある集落エリアとも、全く離れているので、「本当に周囲になんにもない」という感じです。

私はバイクで行きましたが、山道をぐいぐい登ったところにあるので車かバイクは必須ですね。

zaikabouさんのブログを読んでずっと印象に残っていたのですが、今振り返ってみたら自転車を輪行して行ったと書いてあってのけぞりました。

 

zaikabou.hatenablog.com

 

山の中の景色を楽しむ宿

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建物外観。この場所にもともとあった宿泊施設のリノベーションということですが、大きな三角屋根が可愛くて、よくある古さ、レトロさを感じる部分はあまりないです。

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1階にはフロントとフレンチバル、そしてワインや日本酒などを販売しているショップがあります。

 

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フレンチバルからの眺めはこちら。家具などのセンスもとてもいいですし、山の景色を独占して楽しむことができる感じで、気持ちが良いですね!

 

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フロント前にちょっとしたテーブルスペースがあって、宿泊者は自由に使えます。お水やお茶も無料でした。

 

 

ドミトリーの居心地は、まずまず、といった感じ

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ドミトリーはAとBの2部屋のみで、Bは主にグループ貸切利用の方用となっています。

A, Bとも、窓はありますが駐車場・道路側。マットレスがしっかりしているので、寝心地は問題なしですが、荷物を置くスペース、服をかけるスペースがほぼないのが少し困るポイントかも。

8人部屋で、男女別ではありません。夜になって男性3人のグループが同じ部屋にやってきたのですが、宿の方が気を利かせて、「Bの予約が入ってないので、Bを使ってください」とおっしゃってくださって助かりました。

 

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洗面台、トイレ、お風呂は、個室の方も含めて共用です。

お風呂はそこまで大きくはないですが、山の景色が望めるのと、ちゃんと温泉なので、それだけでだいぶ最高。

洗濯機はあるのですが乾燥機はないので注意。キッチン、電子レンジなどもありません。

 

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冷蔵庫は自由に使っていいようになっていて、さらに自由に飲んでいい美味しいお茶が冷えてました。

 

なにしろ、コンビニまで車で20分、というような立地なので、一度宿に入ったら籠るしかありません。その点も考えての配慮が行き届いてる感じで、よかったです。

 

お料理とお酒が最高です。サービスも非常に素敵。

私はHafHでの利用でしたので当然のことながら素泊まりだったのですが、普通の方は夕食のコースつきプランで予約をするようです。

特に、行った時点(2020年8月)では新型コロナウイルスの影響でフレンチバルは宿泊者の予約でのディナー、朝食のみ営業という状態だったので、チェックインの際にフロントの方にコースの予約をどうするか?を聞かれました(確か食事のみで3,000円前後、といった価格帯)。

今思えば、そのお値段にしてはお得すぎるコース内容なので、普通にコースを予約すればよかったんですけど、その時は2連泊だったこともあってちょっと躊躇してしまい、「アラカルトで」とお願いをしました。

 

メニューをいただいてみると、お酒のつまみになるようなポテトフライなど簡単なもの、もしくは前菜、メインディッシュ、パスタなどから1品ずつ選ぶ本格的なもの、というスタイルで、かつ着席と同時にラストオーダーという難易度の高さ(※新型コロナウイルス関連でそのような営業になってたものと思われます)だったのですが、こういうときは、パスタだけ、とか日本人がやりがちスタイルで頼まず、ひとまず前菜とメインを1皿ずつが正解なはずだ。と思い切ってみることに。

 

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グラスワインと、サラダを頼んだら、「1人前としては多いですので、半分にされますか? 半額にさせていただきますが」と、かなり嬉しい配慮をしていただきました。

 

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メインでいただいた豚肉のお料理。めちゃくちゃ美味しい。

 

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サービスでバゲットもつけてくださった。超親切。

 

翌日は、本当は買ってきたものなどで軽く済ませることも考えていたのですが、あまりにも感動してしまったため、連続でアラカルトで予約させていただきました。

 

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この日は日本酒飲み比べセットを頼んだら、なんか小粋なプレートをつけてくださった。親切すぎて泣ける。

 

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これは確信犯的に、多分そうしてくれるだろうと思って頼んだチーズ盛り合わせ(悪い知恵がついている)。やはり、ハーフサイズで半分の値段にしてくださった。

 

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そしてメインは鶏肉のお料理。こちらも泣けるほど美味しい。そしてバゲットもつけてくださる。ありがたい。

 

2日連続でアラカルトで変な注文する客にも全くそつなく対応してくださるのが、このフレンチバル、只者ではない……という感じで、すっかりファンになってしまいました。大変おすすめ。またぜひ行きたい。

 

※アラカルトで変な注文する客への配慮は、いつでもそうしてもらえるというわけではなく、この時がたまたま臨時の営業スタイルだったからということも多分にあると思われますので、その辺りお含みおきください。くれぐれも最初から期待されませんように。私も次回はちゃんとコースで予約するつもり。

 

周辺のアート施設、トリエンナーレの開催時期ではなくても楽しめますよ

さて、十日町市といえば「大地の芸術祭」なのですが、開催年ではない年も、それなりに人がたくさん訪れています。

 

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大映えスポットになった清津峡のトンネルや、ボルタンスキー『最後の教室』などをめぐるパスポートも季節ごとに発売されますし

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『たくさんの失われた窓のために』など、屋外の常設のアート作品もたくさんあります。

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越後妻有里山現代美術館「キナーレ」の展示もよくて、このときは美術館真ん中のプールでSUP体験ができました!なにそれ面白い

他にはない魅力がある宿泊施設のひとつ

zaikabouさんも書かれてましたが、「宿は泊まれればそれでよし、美味しいものにはお金を惜しまない」というタイプの人にはドンピシャの宿です。「アートと食をめいっぱい楽しむ」に全振り、という感じ。もちろん1泊に数万円かければもっと素晴らしい体験ができるのは知ってるし、あるいはゲストハウス泊まるなら自炊できなきゃ意味ないでしょ、というような向きもあるのは知ってますが、そういう宿は、結構どこにでも、いくらでもあるんですよね。

「醸す森」は、ここにしかない魅力があるから、また来たくなる、そんなタイプの宿だと思います。

 

HafHでも泊まれます

HafH

presented by 東京エスカレーター / CC BY-NC 4.0