今年に入って「旅好きミニマリスト」と名乗り始めたのは、単純にYouTubeチャンネルでのウケの良い発信のため、であったのですが、積極的に「ミニマリスト」と名乗っていくことで、気持ちがすっきりする部分がありました。
「ミニマリスト」と名乗る私が、一番、手放してよかったと思っているのは、「あの人みたいになりたい」という憧れや、嫉妬の気持ちです。
私は小さい頃から負けず嫌いの性格で、どんな小さなゲームでも勝たないと気がすまないところがありました。
負けず嫌いのおかげで達成できたこともたしかにありますが、一番問題だったのは、なにかに「勝ちたい」という気持ちで突っ走っていくことで、いつの間にか、それが本来「好き」でやりたくてやっていたことなのかどうかが、わからなくなってしまった、ということです。
そうなると、本当に好きで、やりたくてやっている人には絶対に敵いません。自分はこんなに努力しているのに……という悪循環にはまって、壁にぶつかったり、うまくいかないこともたくさんありました。
私はずっと、「センスのいい人」になりたいと思っていました。東京に出てきたことも影響しているのかもしれません。センスのいい人たちに圧倒されて、自分も、そうならなくては、という焦りがありました。センスのいい部屋に住んで、センスのいい服を着て、センスのいい音楽を聴いて、センスのいい文章を書いて。
誰もが憧れるような、「センスのいい人生」を送りたかったんだと思います。
でも、「センスのいい人」を真似して何かを買っても、真似して何かをやってみても、いつもチグハグでした。人から褒めてもらえたとしても、上には上がいます。永遠に人と比べてしまい、永遠に納得はできませんでした。
ものが少ない暮らしを始めたことをきっかけに、「センスのいい人」になるのをやめて、「ミニマリスト」と名乗ってみたら、自分の気持ちがすごくすっきりしたことに気づいたんです。
持っているものの少なさという意味では、「ミニマリスト」というわけではなかったりするし、究極にものが少ない状態を目指しているわけでもありません。でも、何でも手に入れたい、何でもできるようになりたい、という気持ちは、「ミニマリストだから」すんなり手放すことができました。
「自分が本来好きではないものや、得意ではないことをちゃんと見きわめて、なるべく手放して、身軽に生きていきたい」という意味で、ミニマリストと名乗っていきたいと思います。
