できるだけがんばらないひとりたび

団地で暮らす旅好きミニマリスト・田村美葉(みは)

Suicaだけで新幹線に乗れる「スマートEX」、便利ですが注意点がいくつかありました

知らない間に東海道・山陽新幹線チケットレスサービス、「スマートEX」が始まっていました(2017年9月から)。

新幹線のチケットレスサービスって、なんだかモバイルSuicaが必須だったり有料だったりのイメージがすごく強かったのですが、いつの間にか(2017年9月から)普通の交通系ICカードSuicaでもPASMOでもなんでもよし)と普通のクレジットカードで登録ができるようになって、しかも無料だということで、利用してみたところ、確かに便利ではあるもののいくつか注意点があったのでまとめてみたいと思います。

 

スマートEXのいいところ

会費とかかかりません

東海道・山陽新幹線チケットレスサービスといえば、「エクスプレス予約」があったのですが、こちらは年会費1,080円で新幹線が少し安く予約できるというもの。1年に1度乗るか乗らないかみたいなエコノミーユーザーは相手にされてない感じでした。

「スマートEX」の場合は、会員登録は必要ですが、会費とかかからないのでとりあえず登録しとくみたいなこともできます。

PASMOでもなんでもOKです

JR東日本の新幹線(東北・山形・秋田・北海道・上越北陸新幹線)でチケットレスといえば、こちらは「モバイルSuica特急券」があったのですが、これはモバイルSuica対応端末がもちろん必要な上、ビューカードじゃない人は会費が取られたりとなんか微妙に不便なサービスでした。

「スマートEX」の場合は、クレジットカード機能ついていないSuicaでもPASMOでもなんでも(相互利用可能なものなら)登録できますし、ほとんどのクレジットカードが使えるので、かなり良心的です。

JR東日本でも、交通系ICカードなんでもOKの「タッチでGO」もありましたね。ただ、JR東日本のエリアに限られる(例えば北陸新幹線なら東京~安中榛名まで…)ので、使う機会はあまりなさそうですが……

切符を無くす心配ナシです

飛行機とか、チケットレスになって久しいので、新幹線の1万円以上する切符を持ってるとそれだけでなんか緊張しますが、当たり前ですがチケットレスなので、切符をなくす心配がありません。

 

「スマートEX」の使い方、かなり簡単でした

1. 会員登録する

公式サイトから、会員登録をします。

このとき、クレジットカードと交通系ICカードを登録します。

交通系ICカードは英数字15桁の手入力が必要です。クレジットカード同様、番号が間違っていたらアラートを返してくれます。

2. 予約する

のぞみ、ひかり、こだまの指定席、自由席、普通車、グリーン車、どれでも予約できます。

指定席の場合、座席表が表示されて細かく指定できるのが嬉しい。直前の予約だと、隣に人がいない席とかも選べます。

3. 登録した交通系ICで乗る

在来線の改札も、新幹線の改札も、登録したICカードで「ぴ!」とやって乗ります。在来線の分の料金は、その際勝手に清算されます。

f:id:tamura38:20181211195638j:image

新幹線改札で「ぴ!」とやると、こういう利用票がもらえます。

普通の新幹線特急券は降りるときに改札を通すと回収されてしまいますが、これは回収されないのでチケットコレクターとしては嬉しいです。

4. 出るときも改札で「ぴ!」とするだけ

指定席の場合、席番号の照合は車掌さんが手持ち端末でやってくれてるので、指定の席に座ってれば車内改札とかもありません。出るときも改札で同じICカードを「ぴ!」とすれば出られます。便利。

スマートEXの最も大きな注意点、ふつうに買うよりも割高になる可能性ありです

スマートEXの説明のページに小さく書いてあるこちらの文章が、いちばん大きな注意点だと思います。

  • 乗車券・特急券の効力が一体となった東海道・山陽新幹線専用商品です。
    「 東京都区内」「大阪市内」といった所定の乗車券に適用される、いわゆる「特定都区市内制度」は適用されません。
  • 新幹線乗車駅まで(降車駅から)在来線をご利用の場合は、別途在来線の運賃等が必要です。
    このため、利用区間によっては、駅窓口等でお買い求めいただく所定のきっぷと比べて「スマートEXサービスと在来線の運賃等の合計額」の方が、高額になる場合があります。
  • (引用元:http://jr-central.co.jp/ex/smart/

噛み砕いて書くと、以下2つの場合があります。

1. 乗車券と特急券を別々に購入できないので、微妙に割高になる可能性ありです

スマートEXで乗る場合、「乗車券と特急券を別々で購入」ができません。

JRの乗車券は距離が長ければ長いほど料金がお得(なことが多い)ため、在来線にある程度の距離乗って新幹線に乗り継ぐ、あるいは新幹線同士を乗り継ぐ場合に微妙に高くなる可能性があります。

例えば「東京から名古屋、名古屋から新大阪でそれぞれのぞみに乗る」ときに、

「東京から新大阪までの乗車券代(8,750円)」+「東京から名古屋の特急券代(4,830円)、名古屋から新大阪の特急券代(3,210円)」= 16,790円

だったのが、

「東京から名古屋の乗車券+特急券代(10,890円)+名古屋から新大阪の乗車券+特急券代(6,160円)」=17,050円

になるので、微妙に高いです。かなり微妙ですが。

(JRの乗車券の計算、色々複雑なので間違ってたらすみません)

2. 「東京都区内」などの制度がないので、やはり微妙に高いです

今まで、新幹線特急券を買うとき、「東京都区内〜大阪市内」のような切符になっていて、新大阪駅大阪駅間などがタダで乗れてラッキー、だったのが、スマートEXの場合、その制度がありません。

なので、新大阪駅大阪駅間、ばっちりSuicaから引かれます。 

ただし普段から通常料金より200円安く、「EX早特」という割引サービスもあるみたい

ただし、その微妙さを見越してか、スマートEXでは普通に予約するだけで、通常の料金より200円ぐらい安いので、新大阪〜大阪駅間ぐらいだったらスマートEXの方が得な可能性もあります。

f:id:tamura38:20181212121757p:plain

引用元:http://jr-central.co.jp/ex/smart/

細かく運賃計算したい人はこちら:http://unchin-navi.jp/

 

また、3日前や21日前に購入すれば若干割安になるEX早特、というサービスもあって、もう何が何やらです。

 

再びただし、EX早特は、割安になる区間やら時間やらが限られているので、「これに当たればラッキー」ぐらいに思っておいた方がいいかもしれません。

 

なにがなんでも安く買いたい、という人以外は、スマートEX利用するなら、数百円〜数千円の誤差のことはあんまり考えないようにしましょう。なにがなんでもの場合、それこそ今までの「エクスプレス予約」の方がいいじゃんみたいな話も出てきますから…。

余計なことは考えなくてよくて便利、というのがスマートEXの利点だと私としては思います。

 

 

スマートEXのごく個人的な注意点

以下は気にするほどでもないですが個人的な注意点です。

JR在来線と新幹線、同じSuicaで乗るしかありません

これは私用と業務用でSuicaを使い分けしている私のような人のみに当てはまるポイントかもしれませんが、乗り換え改札をそのままSuicaで通り抜けると、在来線で乗ってきた場合と同じSuicaで新幹線にも乗るしかありません。さらに着いた先で乗り換え改札からそのままJRに乗り継ぐと、そこも延々同じSuicaになります。

交通費を私用と業務用で使い分けたい場合、一旦改札出るとかしなくてはいけないので、面倒です。

予約の変更はできるけど、やや使い勝手悪し

スマートEXは、乗車前(新幹線の改札でぴ!とやる前)なら何度でも無料で予約の変更が可能です(差額が発生する場合は差額必要)。

と言ってもこれ、えきねっとでも同様にできたので、これまで私は、遅めの時間帯で指定席を予約して、当日、駅について指定席券売機にすちゃっと切符を入れて、すちゃっとその時乗れる一番早い便に変更する、ということを頻繁にやっていたのですが、スマートEXの場合、手持ちのスマホでそれをやることになります。

と聞くと便利そうなのですが、この変更のステップが、操作感の問題とスマホの通信速度の問題で、指定席券売機でやるよりも微妙に時間がかかります。体感としては、指定席券売機で2分でできてたのが、5分はかかる感じ。微妙な差ですが、スマホを5分、移動中に落ち着いて操作するのってなかなか難しい。歩きながらとかだともう無理です。

そしてこの変更、新幹線の改札でぴ!としてしまったあとはできません。なので、新幹線の駅に到着する前にどこかで落ち着いて変更しなければならず、けっこう余裕を持って変更することになり、駅の待合室でぼけっと時間を持て余すことが多くなったような気がします。個人的な都合ですが。

 

f:id:tamura38:20181211195528p:image

なんかちょっと使いづらい、変更画面。特に時刻をいちいち選ぶところがとても面倒。

すぐログアウトするので、会員番号やパスワードを何度も聞かれます

スマートEXのサイトでは、勝手にログアウトする頻度がかなり高いです。ログイン中に、スマホで別の操作をしてるとすぐログアウトする感じです。

クレジットカードを一度登録すれば、次からもチケット購入できてしまうサイトなので、仕方ないといえば仕方ないのですが、何度もパスワード入れなきゃいけなくて面倒です。

ついでに、会員IDがメールアドレスではなく、独自の会員番号(変更不可)なので、これを忘れるともう、ものすごく面倒です。

これもあって、移動中に予約の時間変更しよう、というのがとても面倒。たしかに何度でも変更できるけど、実際に何度も変更することはあまり想定してない感じです。

端末での切符変更や受け取りに必ず「パスワード」を聞かれます

f:id:tamura38:20181211214753j:image

スマートEXの専用機や、いつもの指定席券売機でも、変更や発券ができます。

ですが、このとき必ず「スマートEXのログインパスワードを手入力」する必要があって、これ、特に急いでる時はものすごく面倒です。

えきねっと予約の場合は、クレジットカードの暗証番号でできるのにな。

ちなみにえきねっと指定席券売機でも結構いろいろできます

いくつかのサイトで、「もう窓口の長蛇の列に並ばなくて大丈夫!」というように書いてあるサイトがあって、いやいや今までの「えきねっと」と指定席券売機の組み合わせでもできましたよ、と思ったので、スマートEXじゃなくても、えきねっと指定席券売機でできることを書いておきます。

  • えきねっと予約でも、発券するまでネットで何度でも無料※で予約の変更できます。スマホでももちろんできます。 
  • 座席指定は、スマートEXのように座席表までは出ませんが、A席指定などざっくりできます。
  • えきねっとで予約した場合、予約した時のクレジットカードを指定席券売機に入れて4桁の暗証番号を入力すると、予約分の切符が発券できます。窓口に並ぶ必要ありませんし、8桁以上のパスワードとかもいりません。
  • 発券した後も、指定席券売機にすちゃっと切符を入れると、「1度まで」無料で変更できます。 

 

※「えきねっと特典」という、JR東日本えきねっと特有の制度なので、JR西日本の「eごよやく」などでは適用されません。だったら、えきねっとつかうか、とお考えの関西の皆さんは、切符の受け取りが「JR東日本の駅」に限られてしまうのでご注意ください。

 

参考:

えきねっと(JR東日本)|えきねっとのきっぷ予約 JR券申込サービスのメリット

えきねっと(JR東日本)|JR券申込 ご利用ガイド>お受取り・お支払い方法

 

個人的には、指定席券売機のの操作感がけっこう好きなのです(それに尽きるかも)。

スマートEX、だいたいわかったので、次はえきねっとで取るかもなー、というところでした。もう少し、操作感が改善されたら良いのになー。

 

関連するかも記事

 

www.dekirutabi.tokyo

www.dekirutabi.tokyo

 

presented by 東京エスカレーター / CC BY-NC 4.0