金沢旅行で北鉄バスの対応が残念だったという記事が以前話題になりましたが、私は小中高と北鉄バスで通学していました。路線バス大好き。
とはいっても、地方の路線バスは基本的に車の運転ができない中高生や、お年寄りのための乗り物なので、観光客が使うには入念な下調べが必要です。このブログのスタンス「できるだけがんばらない」とはちょっと逸脱するのですが(がんばらないでタクシーに乗ろう)、現地へと赴いて順番にアイテムをゲットし目的を達成するプロセスは、よくできたRPGのような楽しさがあり、私は旅先であえて積極的に路線バスに乗っています。
例によって、特に得はしませんが、旅先で路線バスに乗るときのコツをまとめます。
経路検索のコツ
電車の乗換えが「不便だな」と思ったらバスを調べよう
電車の乗換案内で所要時間を調べたら、接続が悪くて1時間の待ち時間がある、などの場合。路線バスの出番です。「これはあやしい」と敏感に路線バス探索を始めます。
Googleマップで経路検索しよう
まずはGoogleマップの「経路検索」で目的地への経路をズバっと検索してみます(普通ですね)。運が良ければいい感じの路線バス経路が出ます。
ただ、ベストな時間帯でベストな地点を押して検索しないとなかなか適切にはヒットしないので、「なんと電車で行くと乗換2回なのにバスなら1本!」のような路線が見つかったときは運命です。
めぼしい観光スポットの公式サイトで「アクセス」を確認しよう
次に、行きたい場所か、行きたい場所の近くのめぼしい観光スポットの公式サイトで、「アクセス」のページを確認します。適切な路線があるときは、丁寧に乗り方が書かれていることが多いです。「そっちの駅から行けばいいんだ!」というような新たな発見があったりします。
バス会社の公式サイトで路線図と時刻表をくまなく見る
乗るべきバス会社が判明したら、バス会社の公式サイトに行って路線図をくまなく見ます。たまにもっと便利な路線を見つけられますが、「たまに」なので路線図マニアでないならこの手順は飛ばしてもかまいません。
時刻表は「適用の日付」「適用の曜日」も含めて、必ずよくチェックしておきます。「地元の祭りで運休」などの情報が載っていることもあります。
スムーズに乗るコツ
案内所でバス路線図をもらおう
現地についたらまず駅の案内所に立ち寄り、バス路線図をもらいます。エスカレーターをひとりで見に行ったマカオでは、空港の案内所で「バスマップ、プリーズ」と言ってみたら詳細なバス路線図がもらえて大変重宝しました。
入念な下調べが済んでいるときも、全体の俯瞰ができ、通過するバス停などもチェックできるバス路線図は便利です。調べたバス路線以外に無料のコミュニティバスがあった!などの場合もあります。
ご当地ICカードを購入しよう(マニア向け)
バス停にご当地ICカードの宣伝が出ていたら、すかさず購入します(私はご当地ICカード集めが趣味です)。ご当地ICカードの入手の仕方も結構RPG的で、主要駅ならバス案内所で、バス案内所がなければ提携の鉄道会社の切符売り場で、街中で買うなら主要なデパートで、など様々です。ただデポジットもあってけっこうなお金がかかるので万人におすすめはできない趣味です。
「後払い」か「先払い」か、時刻表や車体の表示でチェックしよう
後払いなのか、先払いなのかは、時刻表の隅っこなどに予め書いてあったりします。バスの車体にも必ず書いてあります。
Googleマップで現在地を把握しよう
運行中はGoogleマップを起動し、現在地を把握しておきます。「次の次ぐらいかな」と降りるタイミングを見積もることができます。
前もって小銭は準備しておこう
都営バスでは1000円払うとお釣りが出てきますが、普通は1000円札を「両替機」に入れて、くずしてから運賃を払います。後払いのときには停車中にあらかじめ両替します。時刻表と同時に、運賃表も公式サイトにあるので、運賃もチェックしておくとなお安心。
ちなみに、ご当地ICカードがあれば後払いでも前払いでも無敵です。
以下はオマケで、今までに乗ったお気に入りのバスです。(路線バスじゃないのも含む)
国内RPGバス路線まとめ
徳島バス(旧鳴門市営バス)引田線(引田駅→鳴門駅)
直島に行った帰りに、日本で2番目に長いエスカレーター「エスカヒル鳴門」に乗りに行くため高松→鳴門を目指したのですが、徳島行きの特急と鳴門行きの在来線の接続が非常に悪く、かかる時間は長いけど乗り換えのタイムロス分早く着く経路を探して、途中のほとんど何もない駅「引田駅」からバスに。本当に何もない駅で他に誰も降りなかったのでバスが来るのか不安でしたがちゃんときました。最初から最後までシーサイドを走る素晴らしい路線でした。
ちなみに、鳴門にはかの有名な大塚国際美術館があり、直島のついでに訪れるのにも文脈の合う場所ですが、私はというと、エスカヒル鳴門を見たあとは華麗にスルーして鳴門大橋の 下部分にある新幹線の未成線を見に行きました(懐かしい、このときの旅行記がDPZに書いた初めての記事です)。
大塚国際美術館の目の前、鳴門公園口からは、神戸までの高速バスが出ています。
下電バス/琴参バス 瀬戸大橋線(JR坂出駅〜岩黒島)
電車で渡っても車で渡っても最高の景色が楽しめる瀬戸大橋ですが、いくつかある橋脚のはえる島のうち、岩黒島に降りることができるのは、島の住人と民宿の宿泊客だけ。ですが、バスを利用すれば橋の上のバス停で降りてエレベーターで入島が可能、というじつにRPGっぽい設定があります。橋の上で主塔を観察するもよし、下に降りてぐるぐる橋脚を観察するもよし。見どころは大山さんの記事でチェック。
瀬戸内海のぐるぐるがすごい - デイリーポータルZ:@nifty
津山エクスプレス京都号/豊沢交通 (新大阪→美作インター→奈義町現代美術館)
普通に考えると津山駅まで電車で行ってそこからバスかタクシー、となる荒川ギンズの奈義町現代美術館なのですが、京都や大阪からバスを乗り継いで行く方法もあります。奈義町の公式サイトにも載ってる行き方なのですが、新大阪のバス乗り場はガード下だし美作インターで降りると巨大なイオンしかないしで見知らぬ土地にきた感が強く、建物や作品よりもその行程のほうが印象に残りました。いや、一度は行く価値のある素敵な美術館ですが、普通は車の運転できる人じゃないと行こうとは思わないでしょうね。
帰りは津山のこのエスカレーターを見て普通に電車で岡山まで出ました。
熊野交通 定期観光バス(勝浦→川の駅志古乗船場)
勝浦のホテル浦島のエスカレーターを見た翌日、電車で新宮に出てバスで熊野本宮を目指すルートを調べたら、勝浦→新宮の電車の本数が極端に少なく、路線バスとの接続がありません。そこで勝浦から新宮までのバスに乗ろうとしていたところ、勝浦駅前に立派なバス案内所があって、新宮を経由して熊野本宮まで直通の観光バスが出ていました。熊野神社に行きたい人には電車より便利、なのですが私は終点のひとつ手前で降りて、瀞峡めぐりのジェット船というやつに乗りました。ジェット船のチケットまで込みになってます。
この記事ではもうこれを貼るのに決めていた。テレビ東京の中でも1、2を争うくらいに好きだった番組。最近テレビ見てなかったんですが、調べたら THE MOVIE になるらしくて衝撃。ほらみんな路線バス好きなんじゃないか!(いや蛭子さんが好きなのか)